149 ミ フ ウ ズ ラ

 北海道、本州、四国、九州には生息していないので、なじみのうすい鳥である。主に種子島以南の島々に生息する留鳥である。ウズラに近い仲間であるが、ミフウズラ科という独立した科である。大きさはスズメ位で、ウズラよりもかなり小さい。しかしながら太っていて、丸味があるのでスズメより大きく見える。♀の方が♂より大きく、きれいである。この様に♀の方が美しいタマシギやアカエリヒレアシシギ等は早は産卵するだけで抱卵、育雛は♂がこれに当る習性がある。♀の性質は♂に比べて積極的で主な繁殖期である4〜9月頃にかけては♀はブーブーブーとうなる様にないて♂を引き寄せ、交尾、産卵が終了すると次々と♂を求めて移動する一妻多夫の鳥である。従って♀同士で♂を奪いあって戦う事がある。主として背の低い草原、放牧地、農耕地、サトウキビの刈込み跡等開けた場所を好み、林の中ではほとんど見ることは出来ない。営巣場所は草原、農耕地等であり、巣は草株のくぼみをそのまま利用する場合と、自分で地上に皿形のくぼみを作り、産座に枯草等を敷いて巣とする場合とがある。一腹の卵数は2〜4個で、色は淡黄灰色で徴小斑が全面を覆い、更に、黒褐色の粗大斑が鈍端近くに散在ずる。餌は主として植物の種子、葉、若芽、昆虫等である。草の中を動き回っているのでなかなか見つからず、草原を歩いていると急に飛び出して驚かされる。飛行は翼をバタバタと迅速にはばたいて低空をまっすぐとび、地上に落ちる様にとびこむのが常である。又なかなかとび立たず早足で歩いて逃げてしまったり、じっとうずくまっている場合も多い。♀の喉には大きな黒色斑があるが♂にはない。背面は褐色で濃く、下面は黄褐色味のある淡色で、腹には斑がなく、胸には黒色の横斑がある。薩南諸島、奄美諸島、沖縄諸島、先島諸島等に従来より生息が確認されているが、今回の調査では徳之島、宮古島、多良間島で繁殖が確認された。又、沖縄本島、沖之永良部島、徳之島で繁殖の可能性があるBランクとなった。しかしながら繁殖が当然行われていると思われた奄美大島、石垣島、西表島、与那国島では繁殖はもちろんの事、生息の確認も出来なかった。今後の調査に期待する。尚、薩南諸島も同様に生息の確認がなされなかったが、調査に当ってみつけにくい鳥の一つであるので、調査方法については今後充分検討を要する種と思われる。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

10

5

1

16

構 成 比(%)

62.5

31.3

6.3

100.0

 

繁殖分布地図索引へ