115 カ ワ ア イ サ

 全長約650mm大型のカモ。♂の冬羽では、頭から上首は緑黒色で金属光沢があるが冠羽はない。嘴は薄く、下向の鈎形をしており赤色。虹彩は赤。首から胸は白。首の白と、頭の緑の対照があざやか。背中は黒、尻と尾は灰黒色。脚は赤。♀の冬羽は、♂ほど顕著なコントラストはない。嘴は赤く、頭から上首は栗茶色。短かい冠羽がある。下首から胸にかけては白から明るい灰白色。首の中間で、栗茶と白のコントラストが明瞭。背中は青灰色で腰と尾は濃くなる。繁殖期の♂は♀に似るが、脇腹が白っぽく、背中の色が濃く、翼のパターンは冬と変わらない。ユーラシァ大陸、北米大陸の北緯40度以北で、北極圏より南の地域、ならびにチベット等広い地域で繁殖し、東南アジア、ヒマラヤ、北米大陸、日本などで越冬する。湖沼、大きな川とその河ロ、入江などに渡来するが、ウミアイサに較べて、その数は多くない。主として、10cm以下の小魚を食べる。潜水して捕ることもあるし、浅い所では、水面から首を延して捕ることもある。潜る深さは4m以内のことが多い。環境と餌の多少によって、また季節によって変わってくるが、サケ、マスの稚魚を中心に淡水魚や昆虫、カエル、甲殻類も食べる。

 繁殖期は5〜6月。繁殖場所としては、樹洞が多い。たやすく巣箱を使うし、人家の軒などにも巣を作る。普通は水に近いが、1km位離れることもある。巣は、ありあわせの材料に綿羽を敷くことが多い。産座は♀が作る。卵は淡黄白色。68×47mm、84g。一腹卵数は8〜11個。孵化日数は30〜32日。抱卵は♀が行い、巣を離れる時には、綿羽で卵を覆う。抱卵は、一腹の卵がそろった時に開始され、一斉に雛になる。雛は早成性。独立するまでに要する日数は60〜70日という。雛は、初めの10〜12日に主に昆虫を食べ、その後、小魚を食べるようになる。

 我国に於ては、北海道で小数繁殖していることが知られていた。今回の調査では、結果が得られたのは北海道に限られ、繁殖確認とその可能性ありとをあわせて13サブメッシュの報告があった。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

5

8

5

18

構 成 比(%)

27.8

44.4

27.8

100.0

 

繁殖分布地図索引へ