041 ヒ  メ  ウ

 全長730mm、翼開長980mm。全身金属光沢のある黒色で、顔は暗赤色。カワウよりやや小さく、体、首、嘴ともに細っそりとしている。生殖羽では小さな冠羽を生じ、腰に白斑を生ずる。尾は細くて長目である。外洋に面する岩壁の多い海岸や、岩礁の多い荒海に生息することが多く、時には海湾にも飛来する。集団繁殖地が3ケ所程記録されており、冬期には主に2、3羽の小群で、海上を泳いだり、巧みに潜水したりして餌をあさっている。食性は動物質で魚類を主食とする。水上では体を深く沈め、尾を水に浸している。舞い上がる時には滑走を必要とし、波の上1〜2mの低空を直線的に飛ぶ。群飛する時には縦列を成す。繁殖地は海岸や島嶼の岩礁の棚でウミガラス、ウミウ、オオセグロカモメ等と混群を成して営巣することもある。巣は岩棚の上やくぼみにあり、他の巣と近く隣り合い、毎年同じ繁殖地を利用するものが多く、繁殖地は糞で真白になっている。枯草や海藻を主材として皿型の巣を造る。産卵期は5月中旬から7月中旬頃で1巣の卵数は2〜6個である。

 我が国には周年生息し、北海道、九州北部、青森県で繁殖し、秋の10月頃から4月頃まで越冬のために本州、佐渡、隠岐、九州、対馬、伊豆諸島の海岸に現れる。今回の調査では繁殖は確認されなかったが、北海道の落石岬では繁殖の可能性もあるので今後の調査に注目したい。既知の繁殖地としては、北海道大黒島があり、未確認報告として同松前小島でも繁殖記録がある(環境庁 1973)。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

0

1

2

3

構 成 比(%)

0.0

33.3

66.7

100.0

 

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