019 オオミズナギドリ

 全長490mm、翼開長1200mm。頭部から背面及び翼上面は褐色で、不明瞭な淡色部や斑点がある。下面は全体が白色で、風切羽と尾のみ暗色である。体の割に翼が長く、両翼を張り風の力を利用して、海上を薙ぐように帆翔することが多い。地上では脚を真すぐに立てることができず、脚を曲げて這うように歩く。地上から舞い立つ時には脚や嘴を使って喬木の幹によじ登ってそこから滑翔したり、崖縁まで這っていって滑翔したりする。大洋を棲み家とし、昼間は群れて、魚群を求めて広く海上を飛びまわる。魚群を発見すると海上に降りて、さかんに潜水して捕える。島嶼に集団で繁殖し、地中に穴を掘って巣穴とするが、営巣の様子は繁殖地によって多少異る。北海道松前郡の大島では灌木や草類の密生地に巣穴をうがち、岩手県の三貫島では原生林中の傾斜地に巣穴を作る。御蔵島では常緑樹がうっそうと茂る密林中の傾斜地に営巣する。巣穴の深さは90〜100cmで、奥は入口よりやや広く、産室には枯れ葉等を敷く。産卵期は6月中旬〜7月中旬で、1巣の卵数は1つである。♂♀一昼夜交代で抱卵する。孵化後2日程は親鳥は昼間も巣にいるが、その後は昼間は海上で餌をあさり、ソノウ中に貯えて巣に帰り夜間に巣内で雛に給餌する。親鳥が繁殖地の島に戻るのは夕刻6時半頃から9時頃で、ものすごい声で鳴き合う。翌朝は2時頃には島を離れはじめ、4時過ぎには抱卵している鳥以外はすべて大洋に飛び去る。雛は11月下旬頃に巣立する。

 日本近海には夏鳥として渡来し、近海の離島で集団繁殖する。繁殖地には2月〜3月頃飛来し、11月下旬〜12月上旬には繁殖を終えて島を去る。オオミズナギドリの集団繁殖地は北海道から九州まで全国にあるが、今回の調査で繁殖が確認され、地図上に示されているのは次の6ケ所である。石川県七ツ島大島、三重県島勝浦、高知県蒲葵島、福岡県沖島、宮崎県枇榔島、鹿児島県佐多岬。その他繁殖地としては、北海道松前大島、松前沖ノ小島、岩手県三貫島、日出島、宮城県足島、新潟県立島、東京都伊豆諸島、京都府冠島、島根県隠岐沖ノ島、神島、高島、沖ノ島、鹿児島県草垣島、長崎県男女群島などがある。このうち北海道松前大島、京都府冠島、島根県神島は天然記念物に指定されている。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

6

0

0

6

構 成 比(%)

100.0

0.0

0.0

100.0

 

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