種類別の調査結果

 各種類毎の繁殖期における全国分布図および解説は、以下に掲載される通りである。分布図を読むに当っては、次の点に留意いただきたい。

 1.257種を対象として調査したうち、A、BあるいはCランクが1サブメッシュでも記録された種類の合計205種が地図化され、解説が付されている。配列は鳥類コードの順となっている。資料6の和名索引をあわせて利用されたい。

 2.各区画は、国土地理院発行の5万分の1地形図に相当する。どの区画をとっても、その内の少くとも2ケ所で現地調査が実施されたことにな.る。最小の調査区画単位となるサブメッシュ毎の繁殖可能性ランク別の全国集計結果を、各種類毎の解説の末尾に加えた。

 3.繁殖可能性は、繁殖を確認したAランク、繁殖の確認はできなかったが、その可能性があるBランク、そして生息のみを確認して繁殖については何ともいえないCランクの三段階に分けられ、それぞれ大中小の黒丸で示されている。これらの丸印は、各種毎の繁殖に関するランク別情報が全国にどのように分布しているのかを地理的関係において物語っているもので、各区画における個体数や密度を表わしているものではない。さらに、丸印のない区画には、必ずしも該当種が生息または繁殖していないという意味ではない点にも注意されたい。

 4.本報告書に掲載された繁殖に関する分布図は、1978年度の調査結果だけをもとにして作られている。つまり、同年の繁殖期に全国で実施された現地調査およびそれに先立つ5年間(1974〜1978年)の資料調査の結果だけが図示されている。調査結果に示されていない既知の繁殖に関する知見や調査期間中に繁殖していることが明らかでありながら今回の結果にもれたもの(例えば、東京都不忍池のカワウの繁殖)などは、各種毎の解説で極力補うよう努めた。

 一方、繁殖することが一般に周知の事実でありながら、今回の調査の一環としてまったく結果の得られなかった種類(例えば、現地調査の実施されなかった伊豆七島のイイジマムシクイや、調査員より何らの記録も寄せられなかった佐渡のトキなど)に関しては、分布地図および解説が省かれている。

 5.繁殖状況票の最終点検の段階で囀りと判定されず、Bランクから一括Cランクへ変更された種類(前述)の分布図に関しては、図示された結果よりも繁殖の可能性のあるメッシュが実際には多いと思われる。

 6.メッシュは全国を機械的に分けたもので、当然ながら行政区画とは一致していない。県別の調査結果概括は、資料3−(2)(3)を参照されたい。

 7.各地図の右下方にある3つの囲み地図のうち、上段は北海道東部および歯舞諸島、中段は右より奄美諸島、沖縄諸島、先島諸島、下段は右より小笠原群島、火山列島、大東諸島を示している。

 

目次へ