2 陸水域に関する調査 |
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●2−3 河川調査 |
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@ |
− |
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A |
昭和54年度 |
A河川調査報告書(昭和55年/都道府県別47冊) A陸水域関係調査報告書(河川)(昭和56年/全国版) |
B |
昭和60年度 |
B河川調査報告書(昭和62年/地方別8分冊) B河川調査報告書(昭和62年/全国版) |
C |
平成4年度 |
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1.調査の目的 |
河川の改変状況、魚類の生息状況、原生流域の状況等を調査し、わが国の河川の自然性の現況及び利用の状況を把握する目的で実施された。 |
2.調査の内容と方法 |
調査は、全国109の一級河川の幹川、一級河川の主要な3支川及び沖縄県の浦内川(計113河川)を対象に実施され、調査区間数は計11,412区間(1区間は約1km)である。 これらの河川において、以下の3項目の調査が実施され、第3回基礎調査においては、第2回基礎調査以降の変化傾向を把握した。 @河川改変状況調査 河川の各種改変状況等を明らかにするため、資料調査並びに現地確認調査により、水際線の改変状況(水際線における護岸の設置割合を求めるもの)、河原の土地利用状況(河原を「自然地」、「農業地」、「未利用造成地」、「施設的土地利用地」に区分するもの)等、7項目について調査した。 A魚類調査 漁獲試験を107河川(北海道の湧別川、網走川、石狩川、尻別川、鵡川、釧路川を除く)の約950地点で実施し、生息する魚種名、漁獲量、放流量等、5項目を調査した。 B原生流域調査 原生流域(面積1,000ha以上にわたり、人工構造物の存在や森林伐採等、人為の影響の見られない流域)を、既存の資料、空中写真等により摘出した。 第4回基礎調査においては、わが国の主要な二級河川の幹川及び一級河川の支川等の中から選定した良好な自然地域を通過する河川、流域面積が大きい河川又は動植物相が豊かな河川など、152河川を対象に調査を実施した。 これらの河川においては、一級河川同様に上記@〜Bの調査を実施したほか、河川延長、流水量、水位の変動、生物相の概要等、河川の属性を概観するための河川概要調査も実施した。なお、魚類調査は、調査対象全河川において、資料、聞き取り、及び必要に応じた現地調査により実施した。 |
3.調査結果 |
第3回基礎調査の結果の概要は以下のとおりであった。
(1)河川の改変状況
<水際線の改変状況> 人工化された水際線は、全国で2,441.5km、調査対象河川(区間)の21.4%であり、第2回基礎調査結果と比較すると、人工化された水際線は全国で249.3km(2.2%)増加していた。
<河川横断工作物> 調査区間に河川横断工作物が存在しないのは、網走川、釧路川、浦内川の3河川であった。また、工作物があっても魚道がうまく機能していることなどにより調査区間に魚類の遡上を妨げる横断工作物が存在しないのは、上記3河川を含め、全国で13河川であった。
(2)魚類の生息状況
生息魚種数が多いのは、信濃川、筑後川(63種)を最多として、ほとんどが本州の主要河川であった。また、生息魚種数の少ないのは北海道地方の河川(留萌川等)や、急流の河川(黒部川等)、流程の短い河川(天神川等)であった。
(3)原生流域
原生流域は、全国で100流域、211,879haであった。 改変により第2回基礎調査以降、原生流域に該当しなくなったのは、計11流域、17,386haである。原生流域のうち保全地域の指定に係わるのは計79流域であり、第2回基礎調査以降、保全地域の指定がなされたのは日高山脈襟裳国定公園の19流域をはじめとして計23流域であった。 |
■水際線の改変状況 | 実数:延長距離(km) ( ):構成比(%) |
調査年数 |
河川数 |
全体 |
自然の水際線 |
人工化された水際線 |
第2回調査 (54年度) |
113 |
ll,425.0 (100.0) |
9,232.8 (80.8) |
2,l92.2 (19.2) |
第3回調査 (60年度) |
113 |
11,412.0 (100.0) |
8,970.5 (78.6) |
2,44l.5 (21.4) |
増減 (△は減少) |
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△13.0 (0.0) |
△262.3 (△2.2) |
249.3 (2.2) |