鳥類<チドリ目 シギ科> 絶滅危惧種
和名:アマミヤマシギ
学名:Scolopax mira Hartert, 1916
異名:
英名:Amami woodcock
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摘要
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南西諸島の特産種。常緑広葉樹林に周年すむ茶色の太ったシギ。2〜3月に地上でディスプレイを行う。山地の地上に皿型の巣をつくり、3月中旬〜5月初旬に、2〜4卵を産む。夜行性。詳しい生態はよくわかっていない。人の存在には比較的無関心で、夜間、林道に出て餌をとったりする。奄美大島と徳之島では、見られる機会が比較的多い。
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形態の記載
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全長36cm。後頭の黒い横斑が顕著な太ったシギ。体上面に褐色・黒・灰色の細かい複雑な斑紋がある。暗オリーブ褐色の3列風切羽の羽縁に、淡色の小三角斑がある。目の周りはピンク色。顔には2本の暗色の線が平行に走る。奄美大島産の本種には、喉および前頚部に2列の黒い横斑が認められる。
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生息地の条件
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周年、亜熱帯のシダ類などの繁茂するシイ・タブの常緑広葉樹林にすむ。少なくとも冬季には、里山近くの平地などでも観察されている。
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近似種との区別
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近似種ヤマシギは全体に赤褐色味をおびる。アマミヤマシギより額がより急角度にせりあがり、目は高く位置する。したがって顔の2本の線は、角度があり、目の側で開いている。さらにヤマシギでは、赤褐色の3列風切羽にある扁平楕円形の暗色斑が目立ち、また、ディスプレイ・フライトを行う。
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分布の概要
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南西諸島の特産種。奄美大島・徳之島・沖縄本島・渡嘉敷島の4島に留鳥として生息。今後の調査で分布域の増える可能性あり。
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生態的特性
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ヤマシギの顕著なディスプレイ・フライトに較べて、アマミヤマシギのディスプレイは2〜3月に地上で行われる。山地の常緑樹林の湿った地上に皿型の巣をつくる。3月中旬〜5月初旬にかけて、2〜4卵をうむ。湿った薄暗い林床を好み、夕方から夜間活動する。林道に出て採餌したりするが、人間の存在には比較的無関心で、驚かされたときも、ヤマシギが静かにある距離飛び去るのと異なって、しばしば地上を逃げ隠れる。ジシギ類に似た声を出して飛び立っても、すぐ近くに飛びおりるか、急上昇して木の枝にとまる。詳しい生態は不明。
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現在の生息状況
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奄美大島・徳之島では、希ならず観察される。冬期(1988年12月)に調査された生息密度は、本茶峠地区の0.66個体/km2を最高に、おおむね0.30〜0.46個体/km2であった。
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学術的な意義と価値
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長い間ヤマシギの1亜種 (Scolopax rusticola mira) と考えられ、ごく最近まで奄美大島のみに生息するとされていた。現在、南西諸島の4島に分布する固有種。
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生存に対する脅威
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沖縄では、ヤンバルでの森林伐採による生息地の減少。奄美大島以外の生息地では、ヤマシギが狩猟鳥となっているため、また冬季には越冬に渡来するヤマシギと生息域が重なっているが、両種の識別が飛翔中はほとんど不可能であるため、「誤射」される危険性大。
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特記事項
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困難と思われたヤマシギとの野外識別が、近年注意深い観察者には可能となり、将来、分布・個体数・生態分布などの詳細があきらかにされれば、それをもとにした具体的な保護策のとられることが期待される。
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参考文献
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Brazil,M.A. and H.Ikenaga,1987. The Amami woodcock Scolopax mira : its identity and indenfication. Forktail, 3:3-16.
樋口広芳・村井英紀, 冬期の奄美大島におけるアマミヤマシギの生息調査. WWFJ(南西諸島プロジェクト)(unpubl.)
清棲幸保,1952. 日本鳥類大図鑑 第2巻. 講談社, 東京.
園部浩一郎・谷口高司,1988. 野鳥識別ノート30、ヤマシギとアマミヤマシギの見分け方. 野鳥, 503:6.
山階鳥類研究所(編),1975. この
鳥を守ろう. 霞会館, 東京.
山階鳥類研究所標識研究室,1980. 鳥類観測ステーション報告(Feb.1,1980-Jan31,1981).