
| 和名 | :オオワシ |
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| 学名 | :Haliaeetus pelagicus pelagicus | |
| 原記載 | : | |
| 英名 | :【Steller's sea eagle】 | |
| 固有性 | : |
ロシア極東に分布する大型のワシ。ロシアのオホーツク海周辺地域で繁殖し北海道が主要な越冬地となっている。魚類と水鳥を主な餌とするが越冬地での餌不足により、漁業活動から供給される魚に大きく依存している。最近、北海道ではエゾシカの銃猟死体を食べて鉛中毒を起こす個体が増加している。
大型のワシ類で全長85〜94cm。翼開長220〜250cm。メスはオスよりも大きい。成鳥は体が黒褐色で尾羽と雨覆羽、腿、額が白い。嘴は大きく鮮黄色。足と虹彩も黄色。雌雄同色。若鳥は全身褐色から黒褐色。尾羽はやや白く先端や外縁に褐色斑がある。尾羽の褐色斑は年齢が進むにしたがって減り、やがて白色になる。嘴と脚は淡い黄色。オジロワシ(H. albicilla albicilla)とは羽色の違いのほか、嘴がより大きいことや尾羽のくさび形が長いこと、飛翔時に翼の後縁に膨らみがあることから見分けられる。
ロシア極東、日本に分布。コリヤーク地方南部、カムチャツカ半島、アムール川下流域、サハリン北部、マガダン地方沿岸地域で繁殖。冬期は北海道、本州北部、ロシア沿海地方、カムチャツカ半島南部、千島列島などで越冬する。まれに九州、四国、奄美諸島、沖縄島に飛来。
ロシア極東の繁殖地では4〜5月上旬に産卵、一腹産卵数は普通2卵だが1または3卵のこともある。雛が孵化するのはアムール川下流域では5月末〜6月で、8月には幼鳥が巣立つ。アムール川流域やサハリン北部で夏を過ごし、10月末〜11月初旬に宗谷海峡を経て北海道へ渡る。そしてオホーツク海沿岸のサケの遡上河川流域や南千島の国後島、択捉島で初冬期を過ごす。1〜3月の厳冬期には知床半島沿岸、風蓮湖など北海道東部の海岸や湖沼に集まるほか、北海道南西部の河川や、岩手県や宮城県の海岸部などにも見られる。越冬地では魚類、海鳥類、海棲哺乳類の漂着死体などを食物とするが、羅臼沖のスケトウダラ刺網漁や凍結した湖沼の氷下待網漁から供給される魚にも大きく依存している。越冬地では海岸や湖沼近くの針広混交林をねぐらにしている。3月には繁殖地への渡りを始めるが若鳥は4月下旬まで残るものもあり、知床半島ではまれに夏にも観察される。
北海道における越冬分布域は海岸、湖沼、河川流域であるが、1990年代半ばより内陸部へ分布域の拡大が見られる。これは道東の内陸部でエゾシカ死体が増加し、これを餌とする個体が増えたことによる。
繁殖期分布情報:第2回自然環境保全基礎調査では非調査対象種
越冬期分布情報:2次メッシュ数:47、3次メッシュ数:72(第3回自然環境保全基礎調査)
総個体数は6,000〜7,000羽と推定されている。1980年代半ばには2,000羽を超す個体が知床半島羅臼沿岸を中心に越冬していた。1990年代はスケトウダラ漁獲量の減少とともに越冬個体数も減少、最近では1,400〜1,700羽が北海道東部を中心に各地に分散して越冬している。
北海道ではサケの遡上する河川でその死体を餌にしているが、餌資源として十分な量のサケが得られる河川は限られている。また、漂着するクジラ類や鰭脚類の死体も安定した餌の供給とはなっていない。このため、羅臼沿岸のスケトウダラ漁で網から外れた魚や、道東の湖沼で行われている氷下待網漁などで廃棄される雑魚に大きく依存している。最近は、捕殺され放置されたエゾシカ死体やその解体残滓を餌とする個体が増加している。
河川開発(13)、湖沼開発(12)、海岸開発(14)による餌資源の減少。森林伐採(11)によるねぐら林や休み場の減少。PCBなど有機塩素化合物の体内蓄積。銃猟エゾシカ死体を採餌し銃弾破片を飲み込むことによる鉛中毒の発生。
とくになし。
種の保存法に基づく国内希少野生動植物種。主な越冬地の知床半島には、1982年に国設知床鳥獣保護区(44,053ha、うち特別保護地区23,630ha、うち特別保護指定区域1,156ha)が設定されている。鳥獣保護法に基づき北海道知事が鉛製弾によるシカ猟を禁止。国の天然記念物。
| 参考文献 |
| 1. | Iwata, H., Watanabe, M., Kim, E., Gotoh, R., Yasunaga, G., Tanabe, S., Masuda, Y. and Fujita, S., 2000. Contamination by chlorinated hydrocarbons and lead in Steller's Sea Eagle and White-tailed Sea Eagle from Hokkaido, Japan. In: Ueta, M. and McGrady, M. J. (eds.), First Symposium on Steller's and White-tailed Sea Eagles in East Asia, pp. 91-106. Wild Bird Society of Japan, Tokyo. |
| 2. | 黒沢信道,1999.北海道内で発生しているオオワシ、オジロワシの鉛中毒について.北海道獣医師会誌,42: 16-18. |
| 3. | Lobkov, E. G. and Neifel'dt, I. A., 1986. Distribution and biorogy of the Steller's Sea Eagle Hariaeetus pelagicus (Pallas). In: Neufeldt, I. A. (eds.), Proceedings of the Zoological Institute, 150 “The Distribution and Biology of Birds of Altai and Far East”, pp. 107-146. USSR Academy of sciences, Leningrad. (藤巻裕蔵(訳),1994.極東の鳥類−11, pp. 1-32. 極東鳥類研究会,帯広). |
| 4. | Nakagawa, H., Lobkov, E. G. and Fujimaki, Y., 1987. Winter censuses on Haliaeetus pelagicus in the Kamchatka Peninsula and Northern Japan in 1985. Strix, 6: 14-19. |
| 5. | 中川元・涌坂周一,1997.知床半島へのオオワシの渡来と越冬状況.遠音別岳原生自然環境保全地域調査報告書,pp. 123-137.環境庁自然保護局,東京. |
| 6. | 中川元,1999.オオワシ.斜里町立知床博物館(編)知床の鳥類,pp. 178-219.北海道新聞社,札幌. |
| 7. | オジロワシ・オオワシ合同調査グループ,1996.北海道と本州北部におけるオオワシとオジロワシの越冬数の年変動.平成7年度環境庁委託希少野生動植物種生息状況調査報告書,pp. 1-9.日本野鳥の会,東京. |
| 8. | Ueta, M., Sato, F., Nakagawa H. and Mita, N., 2000. Migration routes and differences of migration schedule between adult and young Steller's Sea Eagles Haliaeetus pelagicus. IBIS, 142: 35-39. |
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Haliaeetus pelagicus pelagicus, the largest fish-eating eagle in the world, occurs in Russian Far East and Japan. It breeds along the Russian coasts of the Sea of Okhotsk and winters primarily in on the Kamchatkan Peninsula, Russia, and in Hokkaido, northern Japan. Its diet consists largely of fish and waterfowl, however on its wintering grounds, it also relies heavily on fish waste from commercial fisheries and on carrion, especially Sika Deer Cervus nippon. The wintering population in Hokkaido was estimated to be 1,700 individuals in late 1990. There is grave concern over the number of recent cases of lead poisoning (including mortalities) as a result of ingesting lead shot from carcasses of Sika Deer abandoned by hunters in east Hokkaido. |