
| 和名 | :シマフクロウ |
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| 学名 | :Ketupa blakistoni blakistoni | |
| 原記載 | : | |
| 英名 | :【Blakiston's fish owl】 | |
| 固有性 | : |
大型の魚食性フクロウで河川や湖沼周辺の森林に生息する。日本では北海道および北方領土に分布。過去には北海道の広い範囲に生息していたが減少し、現在では約120羽ほどが北海道東部を中心に生息。広葉樹大木の樹洞に営巣し、幼鳥は翌年春から翌々年春まで親元にとどまる。魚類を主食とするが、両生類、哺乳類、鳥類なども捕食する。生息数減少の原因は農地開発、森林伐採、ダム設置、河川改修などによる、生息地、営巣木、餌の減少である。既存野外個体の多くは人工給餌や巣箱による繁殖支援を受けており、近親つがいが数地点で確認されている。
全長65〜70cm、翼開長180cm、体重がオス3,100〜3,550g、メス3,600〜4,400gである。メスがやや大きいが、外見での雌雄判別は不可能。長く幅広い耳羽を持ち、翼は幅広く尾羽は短い。灰褐色の体色に胸腹部には黒褐色の縦縞、斑が入る。顔は濃色で嘴の基部には白い羽毛がある。虹彩は黄色。趾には羽毛がない。大陸産亜種(K. b. doerriesi)は本亜種と形態がほぼ同じであるが、体色がより濃色で頭頂部に白い羽毛がある。ワシミミズク(Bubo bubo)と大きさ、形態が似るが、ワシミミズクは虹彩が橙色、趾先端まで羽毛に覆われる。
本亜種は極東のきわめて限られた範囲、北海道、国後島、サハリンの島嶼に分布し、また択捉島、色丹島にも分布すると言われている。日本では明治時代までは北海道の広い範囲に生息していたが、現在は北海道中央部から東部に主に分布する。大陸産亜種はロシア沿海地方のシホテアリニ山脈の水系を中心に、マガダンを北限とするオホーツク海沿いに生息しており、中国東北部や北朝鮮にも分布しているとされる。
河川や湖沼を含む、主に夏緑広葉樹自然林−針広混交林に生息する。過去には河川の上流部から河口部までまんべんなく生息していたが、現在は河川上流部および河口域の生息地が多い。とくに冬も凍らない豊富な湧水がある場所は生息に好適である。
魚類を主食とするが、両生類、甲殻類、鳥類、小型哺乳類も捕食する。繁殖には胸高直径100cmの広葉樹樹洞を利用し、まれに岩棚を利用する。
定着性が非常に強く、周年同じ地域に生息する。行動圏は河川沿いに約10〜15km。つがいは一生継続し、毎年繁殖するが、繁殖成功率は高くない。2月初旬から交尾。2月末〜3月中旬にかけて1〜2卵産卵。抱卵日数約35日で、4月上旬〜下旬に孵化。巣立ちは孵化後約50日の5月下旬〜6月中旬。幼鳥は1〜2年親のテリトリーで生息した後分散する。繁殖開始は3〜4歳とされる。寿命は飼育個体で30年程度。野外での寿命は不明。
かつては北海道の広い範囲で分布していたが、明治以降の開拓と戦後の開発とともに分布域および生息数が激減した。現在は北海道東部の知床半島に全生息地の約4割が分布し、他は東部の根室地方の山麓部と沿岸部、中央部の十勝地方山麓部、日高山脈山麓部、大雪山系山麓部に点在する。生息地間の分断が顕著。
繁殖期分布情報:サブメッシュ数:0(第2回自然環境保全基礎調査)
越冬期分布情報:2次メッシュ数:0、3次メッシュ数:0(第3回自然環境保全基礎調査)
1992〜97年の生息確認地点数は約50、つがいが約35確認されており、成鳥の生息数は120+程度と推定される。
1991年以降の繁殖つがいのうち40%が人工巣箱のみを利用して繁殖している。また繁殖つがいの25%が養魚場や人工給餌に依存している。人工給餌地点を中心に近親つがいが数地点で確認されている。
森林から農地への土地利用開発が進み生息可能地が激減した(15, 23)。また林業による大規模森林伐採および大規模植林で営巣木が消失した(11)。多くの河川にダムが設置され、河川改修や水質汚濁が進み(13、25, 31)、河口部でサケ・マスが完全に捕獲されたことなどにより餌資源が激減し、さらに湧水地がサケ・マス孵化場や養魚場に占有され採餌場が減少した(71)。近年、カメラマン、バードウオッチャー、マスコミ、アセスメント業者などによる生息地への入り込みが増加し繁殖に影響を与えているとともに、交通事故、感電死、養魚場事故などの人為要因死亡が毎年数個体ある(71)。
幼鳥が巣立ち後1年近く親の給餌を受け、さらに数年間親の行動圏にとどまり、分散つがい形成後にも親元に帰還する個体がいるという、フクロウ類の中では長期にわたる特殊な親子関係を持つ。日本固有亜種ではないが、分布域が北海道とその周辺のわずかな島だけと非常に狭い。
種の保存法に基づく国内希少野生動植物種。1984年から環境省により冬期の人工給餌および人工巣箱の設置などの保護事業が行われており、1993年には、種の保存法に基づいて新たに保護増殖事業計画が策定された。一連の保護事業で一部地域で個体数が増加している。釧路市動物園では人工孵化を行っている。釧路湿原野生生物保護センターでは、保護個体の治療野外復帰を行っている。1982年に設定された国設知床鳥獣保護区(44,053ha、うち特別保護地区23,630ha)には2001年、希少生物保護を目的として、写真撮影やレクリエーション利用の立ち入りを規制する特別保護指定区域が指定された。また、林野庁により数ヶ所の生息地保護林が指定されている。人為分散も試験的に行われているが、生息可能地がほとんどなく、生息環境の改善が望まれる。国の天然記念物。
| 参考文献 |
| 1. | 早矢仕有子,1997.シマフクロウKetupa blakistoni における保全生物学的研究.北海道大学博士論文.142pp. |
| 2. | Hayashi, Y., 1997. Home Range, Habitat Use and Natal Dispersal of Blakiston's Fish-owls. Journal of Raptor Research, 31(3): 283-285. |
| 3. | Takenaka, T., 1998. Distribution, Habitat Environment, and Reasons for Reduction of the Endangered Blakiston's Fish Owl in Hokkaido, Japan. 北海道大学博士論文. 112pp. |
| 4. | 山本純郎,1989.シマフクロウの生態.阿寒国立公園管理事務所,阿寒町.47pp. |
| 5. | 山本純郎,1989.シマフクロウの巣立ち後の幼鳥に対する親鳥の給餌行動と雌雄間の求愛給餌行動について.根室市博物館開設準備室紀要,3: 59-67. |
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Ketupa blakistoni blakistoni is a subspecies of the large fish-eating owl, Ketupa blakistoni, which has a very limited distribution in Far-eastern Asia. This subspecies inhabits mature riparian forests and occurs only in central and eastern Hokkaido. Although formerly it occurred throughout Hokkaido, its population and distribution have declined. The current population is estimated to be about 120 individuals in eastern Hokkaido. It nests in large natural cavities in broad-leaved trees. The juveniles stay in their parents' territories for 1-2 years. The major threat is the shortage of food and nesting trees due to increasing human land use. Currently, most individuals are dependent on the provision of food and nest boxes. Several cases of inbreeding have revealed another threat to the health of this subspecies. |