サンショウウオ目 オオサンショウウオ科 準絶滅危惧(NT)

和名 オオサンショウウオ  
学名 Andrias japonicus
原記載 Temminck, C. J. Fauna Japon. 3: 26
英名 Japanese giant salamander
固有性 日本固有種



解説

本種は現存する世界最大の両生類であり、日本固有種。自然分布は岐阜県以西の本州と四国、九州の一部のみと考えられる。中部、近畿地方では比較的大きな河川を中心に、中国、九州地方では小河川に生息していることが多い。全長はオス、メスとも600〜700mm程度のものが多いが、最大1,500mmにもなる。頭部は偏平で大きく、体には多数の小さな疣を持つ。体側から四肢の後面にかけて皮膚の襞がある。鋤骨歯列は浅いハの字型。四肢は短かく後肢は5指性。尾は著しく側偏する。背面は一般に暗褐色で、不規則な黒色の斑紋を持つ。繁殖は年1回、時期は8月下旬〜9月にかけて、河川の岸にできた深い横穴でなされる。オスは繁殖巣穴を掃除し、メスの集来を待つ。ここに他のオスが侵入すると闘争がおこる。しかし、メスが穴に入って産卵が行われ始めると、周辺に待機していた複数のスニーカーオスも穴に入るという。1メスの産卵数は400〜500といわれる。幼生は水生の小さい節足動物を食べ、変態までに4〜5年を要する。成体はサワガニ、各種淡水魚を食べ、ヘビやカワネズミを食べた例も知られる。野外では最低10年は生存が確認され、飼育下では51年生存したという記録がある。

生涯のほとんどを河川で過ごすため、各河川に生息する個体群は分断されていると思われる。また、多くの河川で、人工の堰堤が移動の障壁となっている。かつては食用とされていた。堰堤の建設、護岸工事、ダムの建設など、河川の改変により生息地が破壊されている。地域によっては移入種チュウゴクオオサンショウウオ(Andrias davidianus)と競合している恐れがある。国の特別天然記念物に指定され、岐阜、岡山、大分の一部では生息地が天然記念物に指定されている。


参考文献
1. 生駒義博(編), 1973. 日本ハンザキ集覧. 津山科学教育博物館,津山市. 478pp.
2. 小原二郎, 1979. オオサンショウウオ. 第2回自然環境保全基礎調査動物分布調査報告書(両生類・は虫類)全国版, pp.41-45. 日本自然保護協会,東京.
3. 小原二郎, 1985. 大山椒魚. どうぶつ社, 東京. 236p.
4. 大野正男, 1981. オオサンショウウオ. 第2回白然環境保全基礎調査動物分布調査報告書(両生類・は虫類)全国版(その2), pp.55-70. 日本自然保護協会,東京.
5. 栃本武良, 1995. オオサンショウウオ. 日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料(?), pp.422-428. 日本水産資源保護協会,東京.

松井正文(京都大学大学院人間・環境学研究科)


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