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長期観測の重要性
長期観測の重要性

長期観測の重要性

 このような生態系の変化をいち早く察知し、人間の直接・間接の影響をとらえるにはどうしたらよいのでしょうか。 それには、「同じ場所を、長い間見続ける」ことが必要です。

 生態系の変化は一様ではありません。木が大きくなるように毎年毎年少しずつ進む変化もあれば、何年かに一度の台風や大雪で一気に様子が変わることもあります。ある動物が急に増えたり減ったり、それを繰り返すこともあります。これらの変化は同時に進みますし、場所が違えば変化のパターンも違います。

 何が「人間の影響による変化」で、何が「生態系の本来の移り変わり」なのか。これを見分けるためには、同じ場所の同じものを見続け、これまでと違った変化のパターンを見出していく必要があります。毎年の変化もあれば、数十年に一度の変化もある「生態系の本来の移り変わり」を理解し、 その異変をとらえるためには、長い観測期間が必要となるのです。

 また、こうしてとらえた異変をなるべく早く公表し、多くの人々が実態を知ることも重要です。 深刻な状況であっても、その情報が共有されなければ必要な対応が望めません。

 長期観測(=モニタリング)による変化の早期把握と、 その情報の公開・共有が、取り返しのつかない生態系の劣化を未然に防ぐ手立てなのです。

国際的な生物多様性観測の取り組み

 生物多様性の喪失やそれにともなう生態系の劣化をくいとめるためにはどのような方策が必要なのか、 その科学的基盤を構築するために1991年から生物多様性科学国際共同研究計画(DIVERSITAS : International Programme of Biodiversity Science)が始まりました。

 このDIVERSITASが発案したのが2001年から2002年にかけて行われた国際生物多様性観測年(IBOY:International Biodiversity Observation Year)です。 アジア・太平洋地域では京都大学に事務局を置くDIWPA(西太平洋アジア生物多様性研究ネットワーク)がIBOYを推進しています。 DIWPAによるIBOYの特徴は、世界中の森林、湖水、沿岸、島嶼(とうしょ)生態系で同時に同じ方法で生物多様性の調査を行い、比較可能な情報を収集したことであります。

 これらの調査により世界中のデータが蓄積されましたが、重要なことは世界規模の生物多様性観測のネットワークができ、生物多様性に注目が集まり、さらに人材育成が始まったことです。 DIWPA-IBOYでは現在も、専門家の不足している発展途上国を対象とした人材育成プログラムが続けられています。

環境省生物多様性センター
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Tel:0555-72-6033
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