生物多様性センター

藻場分布図の概要

衛星画像の仕様

 藻場調査(2018~2020年度)では、衛星画像を用いて藻場分布域を抽出するため、画像解析に適した衛星の解像度、観測波長帯、鮮度、雲がかかっていない、海域の状況の良い画像、また、撮影時の季節(月)にも配慮した画像(藻場の衰退期では分布状況を正確に捉えることができないため)を検索して2018年度に一括して調達しました。
 以下に、調達した衛星画像の基本仕様を示しています(下表)。

表 衛星画像の基本仕様
表 衛星画像の基本仕様

※波長帯とは、電磁波一つ分の波の長さを指し、人間が認識できる可視光では、青:0.4~0.5μm、緑:0.5~0.6μm、赤:0.6~0.7μmの波長帯、近赤外(NIR;Near InfraRed)は0.7~1μmの波長帯にあたります。

 また、 上記の衛星画像の基本仕様を元に調達した衛星画像の海区別の面積内訳は以下になります(下表)。調達した高解像度衛星画像は、一部の地域が雲や濁り等のある場合に重複して購入したSPOT衛星画像を含め、面積約39,000km²となっています。

表 調達した衛星画像一覧(海区別の面積内訳、単位:km²)
表 調達した衛星画像一覧(海区別の面積内訳、単位:km2)

※1 Digital Globe:WorldView-2、WorldView-3、WorldView-4、GeoEye-1、QuickBird 等50cm解像度衛星
Pleiades:同じく50cm解像度衛星、SPOT、SPOT(2nd):1.5m解像度衛星。
※2 SPOT(2nd):高解像度衛星画像の一部の地域が雲や濁り等ある場合に重複して購入したSPOT衛星画像。
※3 整数で表わしているため集計値が合わない場合があります。
※4 東北地方太平洋沿岸植生・海域調査業務で調達・整備。

 各海区で調達した衛星画像の撮影季節(月)と、藻場の繁茂期及び群落の確認が可能な季節(月)は下図のとおりです(東北太平洋沿岸海区を除く)。また、全海区での選定状況の概要は「衛星画像選定状況」をご覧ください。

図 各海区における撮影季節(月)別の調達した衛星画像数。
図 各海区における撮影季節(月)別の調達した衛星画像数。藻場繁茂期は中島ら(2013)を参考にして設定した。

 以下の図は、藻場分布図を作成する際に利用した衛星画像の活用イメージになります(例、福井県敦賀市沿岸)。調達した衛星画像を繋ぎ合わせて利用しています。なお、原則、基本仕様に基づいて入手していますが、隣合う画像の衛星画像の種類(World View2とSPOT)が異なっていることがわかります。

図 衛星画像のイメージ (本州南部日本海沿岸海区_福井県敦賀市沿岸)。
図 衛星画像のイメージ (本州南部日本海沿岸海区_福井県敦賀市沿岸)。