写真提供:大森 雄治 

写真提供:大森 雄治

写真提供:財団法人自然環境研究センター


新しい 「身近な生きもの調査」が始まります

「身近な生きもの調査」が、あらためてスタートします。1995年から「セミのぬけがら」、「ひっつきむし」、「ツバメの巣」と年ごとにテーマを決めてすすめてきた「身近な生きもの調査」ですが、今年2000年からは新たに、「身近な林」に着目して調査を始めます。 「身近な生きもの調査」は、全国の多くの方々に参加いただくことで成り立っている調査です。これまでの調査でも、みなさんのご協力によって、数少ない専門家だけでは必ずしも得ることのできない、貴重な成果が生み出されてきました。今回の調査にも、これまでにも増して多くの方々の参加をお待ちしています。


身近な林をより豊かにするために
 
今回の調査では、みなさんの身近な地域で見られるさまざまな林について、四季を 通じてそのようすをお知らせいただきます。みなさんからお寄せいただいたデータで、どこにどんな林があるか、それぞれの林に何が不足しているか、そして、その林をより豊かにするためには何が必要かを明らかにしたいと思います。  ビルや道路に囲まれた市街地の林、田畑に囲まれた林、神社の林、公園の林……。みなさんのまわりには、いろいろな林があると思います。そこにはどんな植物や動物が見られるでしょうか。また、あなた自身や近隣の方々が、その林をどのように利用しているのでしょうか。  子供たちが昆虫採集によく出かける林もあれば、格好の散歩コースになっている場所もあるでしょう。逆に、ゴミが捨てられていたり、容易に中には入り込めないような林もあると思います。  そうした林のようすを調査して、より良い状態にするための手がかりをつかみたいと思います。


今年の秋から冬は、 ドングリと赤い実を探してください  

今年の秋はまず、あなたの選んだ林で、「ドングリ」「赤い実」を探してください。  クヌギやコナラ、シイなど、「ドングリ」の実物を送ってください。ドングリを集めることで、その林の樹木の構成を知ることができます。  「赤い実」は写真に撮って送ってください。ナナカマド、センリョウ、アオキ、カラスウリなど、秋から冬の林でよく目立つ赤い実を写真に撮ってください。ドングリと同様、その林の構成がある程度わかり、また、こうした実は動物たちにとっての大事なエサになっています。


来年の春から夏は タンポポとセミの ぬけがらを調べます
 
春になったら、林の周辺で「タンポポ」を調べてください。タンポポには、昔から日本に生えていた在来の種と、明治時代にヨーロッパから持ち込まれた外来の種があります。これらを調べることで、林のおかれた周辺環境の都市化の程度を知ることができます。  さらに夏は、その林で見つけた「セミのぬけがら」を送っていただきます。ぬけがらからセミの種類を調べ、それぞれの林での種類数をくらべてみたいと思います。


1年をとおして 林の写真を撮って下さい
 
今回の調査は、あなたの決めた林を、3つの方法で調べていただきます。1つはドングリ、タンポポ、セミのぬけがらなどの「実物」、もう1つは赤い実や昆虫などの「写真」です。  そして、定期的に、決まった場所からその「林の写真」を撮っていただきます。調査が終わる1年後に、撮った林の写真を季節毎に貼って送ってください。1年間調査した林がどんな移り変わりをしているのか見くらべてみます。

生きもの調査カレンダー


「調査の参加方法」はこちらです。(調査は終了しました。)



お手元に届いた調査結果から、身の回りの自然について考えてみましょう

 調査に参加いただいたみなさんには、全国の林のようすや林と生きものとの関わり、そして、みなさんからお寄せいただいた地域の情報など盛り込んだ調査結果(報告書)をお届けします。今回は、今年の秋から来年の夏まで1年間調査していただいた結果をまとめたものになります。調査結果をご覧になって、みなさんの身の回りの自然や環境の変化について、考えてみて下さい。