評価結果 |
<トラベルコスト法による評価結果>
- 屋久島の利用価値としてレクリエーション価値について、評価を実施した。
- 屋久島島民と来島者に対してアンケート調査(島民:郵送、来島者:面接、宿泊客:留め置き)を実施した。(有効回答数 島民:105人、来島者:562人、宿泊客:930人)
■推定された屋久島の利用価値(レクリエーション価値)
- 旅行時間の貨幣価値を考慮しない場合:
- 36.8億円/年
- 旅行時間の貨幣価値を考慮した場合:
- 99.2億円/年
- トラベルコスト法による評価の結果、「他の条件が一定のもとで、旅行費用が10%増大変化した場合、訪問率は30%減少する」ことが推測された。環境保全のために費用を徴収する場合、徴収金額及び徴収金の分配方法に十分注意する必要がある。
<CVMによる評価結果>
- 全国を対象に、Webアンケート調査を実施し、屋久島に生息する多様な生物や、生態系を保全することに対する支払意思額(WTP)を尋ねた。
- また、保護政策について、強いシナリオ(コア、バッファ、生活ゾーンに分けて保護)と弱いシナリオ(コアと生活ゾーンのみに分けて保護)を設定し、政策に対する支払意思額を尋ねた。
■屋久島の非利用価値(景観価値、生態系価値)を含めた評価額
・保護政策が強いシナリオ
- WTPの中央値を用いた推定:
- 688億円
- WTPの平均値を用いた推定:
- 2,483億円
・保護対策が弱いシナリオ
- WTPの中央値を用いた推定:
- 293億円
- WTPの平均値を用いた推定:
- 1,511億円
- CVM調査では、保護政策が強いシナリオと弱いシナリオでは評価額が大きく異なることが確認された。これは屋久島の価値は普遍的なものではなく、屋久島をどのように管理するかによって大きく変化することを示している。
|