奄美群島を国立公園に指定することで保全される生物多様性の価値

奄美大島の風景
評価対象 奄美群島を国立公園に指定することで保全される生物多様性の価値
区分 国内
場所 鹿児島県
評価年 2013年
評価の実施者 環境省
評価に至った
経緯
  • 鹿児島県の奄美群島には国内最大規模の亜熱帯照葉樹林が広がっている。また、アマミノクロウサギ、アマミヤマシギ、オットンガエルなど亜熱帯照葉樹林を主な生息場所とする固有種が多く生息しており、それらの多くが人為的な影響で絶滅の危機に瀕している。
  • 現在、奄美群島は、奄美群島国定公園に指定されているが、国定公園の区域は海域を中心に指定されており、固有種の主な生息場所である亜熱帯照葉樹林はほとんど指定されていない。
  • このため、環境省では、奄美群島を国立公園に指定し、将来にわたって自然環境を保全していくことを検討している。
  • 国立公園の指定に向けて、国民及び奄美群島の地域住民に対し、奄美群島の自然環境の価値や国立公園に指定することの重要性について普及啓発するため、経済的価値評価を実施した。
評価手法 CVM
評価結果
  • 全国を対象としたWebアンケート調査により、奄美群島を国立公園に指定し、開発行為等の規制、外来種の防除、継続的な調査に基づく対策の実施等により、現在の自然環境を将来にわたって保全していくことに対する支払意思額(WTP)を確認した。(有効回答数 671人)

■CVMにより推定されたWTP(1世帯当たり)

中央値:
1,728円/年
平均値:
3,227円/年

■WTPに全国世帯数を乗じた評価額

中央値:
約898億円/年
平均値:
約1,676億円/年
参考資料

「平成24年度 生物多様性の経済的価値の評価に関する検討会」第2回検討会資料