15-2 侵略的外来種による生態系への影響が懸念される地域(オオクチバスの分布)

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概要

オオクチバスによる被害を受ける可能性の高い地域を示した地図。

考え方

北米原産の外来生物オオクチバスは強い肉食性を示し、魚類、甲殻類の他、昆虫、両生類、水鳥の雛などを捕食する。全国各地の湖沼などに定着し、広域にわたり生態系被害を及ぼしている侵略的外来生物として、外来生物法により特定外来生物に指定されている。

魚類であるオオクチバスは、人為の影響がなければ水系を越えての移動はできない。このため、本種が確認された地域の付近でも、他と隔離されている水系の池や河川ではオオクチバスが見られず、健全な生態系が維持されている場所もある。生息が確認されていない水域への人為的な移動の監視、生息が新しく確認された水系での生息状況・生態系への被害実態の把握、早期の駆除の体制の確立などが重要である。

この地図では、実際の分布記録のデータから現在の分布確認地点を示すことにより、今後注意が必要な地域を示している。

データ及び加工方法

分布データの出典は以下の調査にもとづいている。

【分布データ】

  • 平成21年度外来生物問題調査検討業務報告書 環境省野生生物課 外来生物対策室.

※なお、上記報告書のオオクチバスの分布確認地点は主に以下の調査の分布データを収集して作成している。

  • 平成14年度自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書 淡水魚類
  • 国土交通省 河川水辺の国勢調査(平成3~17年度)

なお、地図上の赤色の地点は、上記報告書において、国の全国レベルの調査で分布が確認された地点である。これらは一級河川を中心とした大規模河川やダム・湖沼が中心である。

一方、その他にも個別の点データとしてはまとめられていないが、小規模な池や河川も含めて、各種の個別調査や報告で生息の情報が挙げられている。そのため補足として、それらを統合した都道府県レベルの確認状況を表記した。

地図により表現される生物多様性の状況

既存の全国調査では、北海道と沖縄を除く全ての都道府県で分布が確認されている。沖縄県では、全国調査としては分布確認地点が存在しないが、個別の報告等により、分布が確認されている。なお、北海道は一時期分布が確認されたが、その後根絶に成功したとされている。

分布域は平野を中心として全国に広がっており、本種が既に広く定着していることが分かる。関東平野や濃尾平野など、既に広く生息している地域では被害の拡大防止に努める。未だ記録のない地域であっても、同水系で分布が確認されている場合は注意が必要である。分布が確認された場合は早期に駆除し根絶するといった対策を講じることが重要。

データの
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データの出典

【分布記録】

  • 平成21年度外来生物問題調査検討業務報告書 環境省野生生物課 外来生物対策室
  • 平成14年度自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書 淡水魚類
  • 国土交通省 河川水辺の国勢調査(平成3~17年度)
データに関する注意事項等

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