1 国土を特徴づける自然生態系を有する地域(森林・陸水・沿岸)

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概要

地域ごとの生物学的な特性を示す自然生態系が、比較的大規模に残されている場所を示した地図。

考え方

まとまった面積を持ち、その地域本来の自然環境を残している生態系は、我が国を代表する自然的特性を知る上で重要であるとともに、生物多様性保全上の核(コア)となる重要な地域といえる。

この地図では、環境省が平成13年度に公表した「生物多様性保全のための国土区分ごとの重要地域情報」に基づき、まとまった面積を持つ重要地域を「代表的な自然生態系を有する地域」として整理した。

こうした地域を残していくことにより、我が国における多様な自然生態系や動植物の生息・生育空間が保全され、国土全体の生物多様性の維持・向上に資することになる。

データ及び加工方法

生物多様性保全のための国土区分(下記参照)ごとに、下記の要件1に該当する地域および要件2に該当する地域のうち10ha以上の面積を持つ地域を抽出した。
※要件1の地域はすべて10ha以上

要件1 国土区分毎の生物学的特性を示す生態系
国土区分ごとの気候条件に応じて成立する植物群落が見られる地域、または、それぞれ国土区分の生物学的特性を示す動物相が存続できるまとまった面積を持つ地域。
例:北海道のエゾマツ・トドマツ等の針葉樹林、東北地方などのブナ・ミズナラ等の夏緑樹林、西日本や中部太平洋側のスダジイ・カシ等の照葉樹林など。

要件2 環境要因の違いにより特徴付けられる重要な生態系
それぞれの国土区分の中での環境要因(垂直・気候条件、地形条件、水条件、地質・土壌条件またはそれらの複合条件)によりある程度のまとまりを持って成立している植物・動物群集が見られる地域。
例:高山植生、山地植生(西日本のブナ林等)、海浜植生、マングローブ林など。

<生物多様性保全のための国土区分>
日本列島の地史的成立経緯、生態系の基盤である植生に強く影響する気候要素といった特性に着目して国土を10の地域に区分した(次図)。この国土区分は、国土の生物相から見た地域のまとまりを概括的に把握しようとするもので、植物群集を主な指標として、生物分布の境界線、積算気温、年間降水量を用いて区分している。

生物多様性保全のための国土区分

【データ】

  • 生物多様性保全のための国土区分ごとの重要地域情報(平成13年、環境省)を引用
地図により表現される生物多様性の状況

国土10区分ごとの生物学的特性を示す生態系(要件1)では、北海道では北方針葉樹林生物群集が、本州中部以北では脊梁山脈を中心に夏緑樹林生物群集が大きく広がっている。また、南西諸島や小笠原諸島などでは照葉樹林や亜熱帯林の生物群集が比較的まとまった規模で残されている。本州中部以南では、比較的小規模な照葉樹林生物群集が点在している。

国土10区分それぞれの中での環境要因の違いに応じて成立する重要な生態系(要件2)は、北海道の高山性の群集、本州中部山岳地帯の山地性の群集が比較的大規模に広がっている。その他の生態系については、比較的小規模なものが点在している。

こうした地域は、我が国を代表する自然的特性を知る上で重要であるとともに、生物多様性保全上の核(コア)となる地域といえることから、保護地域に指定することなどにより、将来にわたって保全していく必要がある。

データの
ダウンロード
データの出典

【代表的な自然生態系を有する地域】

  • 生物多様性保全のための国土区分ごとの重要地域情報(平成13年、環境省)より10ha以上の面積をもつものを抽出
データに関する注意事項等

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